宅建は不動産業界以外の仕事でも活かせる?有利な転職先を解説

2025年03月11日

宅建は不動産業界以外でも活かせる資格なのか知りたい。不動産以外の業界で転職できる選択肢も知っておきたい。今回は、そのような方に向けて不動産業界以外で宅建を活かせる仕事について解説します。実際に宅建を持っていると有利な転職先について紹介するので、参考にしてみてください。

こんな⼈におすすめの記事
・宅建は不動産業界以外でも役立つか知りたい
・不動産以外で宅建が有利な業界を知りたい
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宅建は不動産業界以外でも活かせる資格

まず大前提として、宅建は不動産以外の業界でも活かせる資格です。

宅建士の資格には不動産取引に関わる独占業務があるため、不動産業界で働く場合しか役立たないイメージもありますが、他業界への転職時にも宅建を持っていると有利になるケースが多くあります。

なぜ独占業務が活かせない他の業界でも有利になるのか、それは次の章で解説します。

宅建が転職で有利な理由

宅建を持っていると転職で有利になるのは、以下のような理由があります。

〇認知度が高い国家資格だから
〇合格率が低く取得までの努力が評価されるから
〇試験勉強によって合理的な思考が身につくから

ここでは、上記の理由について順番に詳しく解説します。

宅建は認知度が高い国家資格

宅建は毎年20万人前後が受験する人気の国家資格であり、社会的な認知度が高いという理由で、他の業界への転職でも有利になることが多くあります。

不動産取引に関わる知識だけでなく、民法の学習によって法律の基礎知識を身につけられるため、不動産業界に限らず、他の業界においても活かせる知識や考え方が身につく資格です。

受験者数が増加傾向にある昨今を考えると、今後も宅建資格の認知度は上がっていくことが予想されます。

宅建は合格率が低く取得までの努力が評価される

宅建は毎年の合格率が15%前後の試験であり、決して簡単に合格できる資格ではありません。

よって合格率が低い分、取得に向けた努力が評価され転職に有利になるケースもあります。

特に未経験の業界に転職する場合は、成果を上げるために努力できる人なのか、という根本的な資質を面接時に見極められるケースが多いです。

よって難しい試験に合格したという事実を宅建によってアピールできれば、成長意欲が高いと評価され、転職時に有利となる場合は多いでしょう。

宅建学習は合理的な思考が身につく

宅建試験の学習は、法律知識のインプットと問題を解くアウトプットを繰り返すことで、物事の合理的な思考が身につくメリットがあります。

法律系の学習は、専門用語が多く慣れるまでに時間はかかりますが、知識だけでなく物事の考え方も磨かれるので、仕事に活かせる要素も多いです。

合理的な思考が身についた結果、面接でのアピールになるだけでなく、自己分析や履歴書、職務経歴書の質質も上がるので、転職を有利に進めることができます。

宅建ってどんな資格?

宅建は宅建士の免許を受けるために必要な資格であり、試験に合格して宅建士としての登録をすることで、はじめて宅建士としての業務を行うことが可能です。

よって、試験に合格しただけでは宅建士になることはできず、合格後に必要な手続きをして、免許の登録をする必要があります。

以下ではそんな宅建士について、どんな資格であるのか改めて詳しく解説します。

宅建士ができる独占業務

宅建士のメイン業務は、売買や賃貸などの不動産取引によって契約行為をする際に、取引の対象となる不動産についての詳細が記載された重要事項説明を行うことです。

重要事項説明は宅建士しかできない独占業務であるため、宅建士を持っていない者が行うと法律違反となり、違反した宅建業者は、業務停止処分などの厳しい罰則を受けます。

また不動産業者は各事務所ごとに一定数の宅建士を配置する義務があるため、事業を行う上で宅建士の存在は必要不可欠です。

免許を持っている者だけが行える独占業務があり、事務所ごとに一定数の設置義務があることから、不動産業界においては、宅建士の需要が常に高いのです。

受験者数や合格率は?

直近5年間における宅建試験の受験者数と合格者数、合格率は以下の通りです。

年度受験者数合格者数合格率
2023年度(令和5年度)233,276人40,025人17.2%
2022年度(令和4年度)226,048人38,525人17.0%
2021年度(令和3年度12月)24,965人3,892人15.6%
2021年度(令和3年度10月)209,749人37,579人17.9%
2020年度(令和2年度12月)35,261人4,610人13.1%
2020年度(令和2年度10月)168,989人29,728人17.6%
2019年度(令和元年度)220,797人37,481人17.0%

宅建は試験が年に1度しか開催されない国家資格の中では、トップクラスに受験者数が多い試験です。

表で見るように合格率は15%前後であり、受験者数に対しての合格者数はそれほど多くありません。

近年は受験者数が増加傾向であることに加えて、受験者や試験問題のレベルが上がっているため、合格を目指すのが毎年難しくなっています。

宅建で身につく知識

宅建の学習では不動産取引に関わる知識だけでなく、民法や都市計画法などの私生活に役立つ身近な法律を学ぶことが可能です。

専門的な法律用語が多いため、学習に慣れるまでの時間はかかりますが、合格レベルまで到達すれば、身近で使える実用的な法律知識が身につき、新聞やニュースに対する見方や考え方も変わります。

また法律系の学習は、知識だけでなく合理的な思考が身につくため、さまざまな情報を基に自分の頭で考えてアウトプットする力を磨ける点も魅力です。

不動産業界以外で宅建が有利になる転職先

ここでは、宅建を持っていると転職で有利になる不動産以外の業界について紹介します。

以下のような業界では、宅建が高く評価されやすいので、不動産以外の業界も転職の選択肢に入れたい人は参考にしてください。

銀行業界

銀行業界は、住宅ローンや事業用ローンを取り扱う際に、不動産に物権を設定する機会が多いため、宅建で学んだ知識を活かすことが可能です。

不動産会社と提携している銀行も多く、宅建を持っていると不動産取引のルールや流れを理解できているため、取引先とのやり取りがスムーズに進みます。

特に信託銀行については、宅建業の免許を受けることなく不動産取引ができるので、一般的な銀行よりも不動産取引に関わる機会が多く、宅建が評価されやすいです。

保険業界

保険業界では顧客にライフプランニングのアドバイスをする際に、住宅ローンのことなど、不動産についての知識が役立ちます。

法人向けに保険商品を提案する場合も、事業者が保有する資産の中に不動産があれば、その活用方法についてアドバイスをするケースは多いです。

宅建資格を持っていることで顧客からの信頼にもつながるので、保険業界への転職においても宅建は有利になります。

建設業界

宅建は土地活用や建物の建築に関わる規制について学ぶことができるため、ハウスメーカーやディベロッパーなど、建設業への転職にも有利です。

建物を建てるための土地を探している顧客向けに、自社で宅建業の免許を取得して、不動産取引を行う会社も多くあります。

また分譲戸建やマンション開発を行うデベロッパーであれば、自社物件を販売するために宅建業の免許を受けているため、宅建を持っている方が有利です。

士業(さむらい業)

宅建士の資格を持つ人の中には、ステップアップやダブルライセンスを目指して、行政書士や司法書士など、士業の資格を取得して独立するケースもあります。

司法書士は不動産登記、行政書士は宅建業の許可申請を独占業務として取り扱えるため、宅建士を持っていると業務で役立つことが多いです。

またダブルライセンスを目指して学習を続けながら、修行を兼ねて目指す士業の業務を行う事務所に転職するという選択肢もあります。

宅建を活かして転職を有利に進めるポイント3選

最後に宅建資格を活かして転職を有利に進めるポイントを3つ紹介します。

不動産以外の業界に転職するケースでも効果的であるため、ぜひ転職活動時に実践してみてください。

業務に活かせる知識をアピールする

転職時に最も評価されやすいのは、業務に活かせる知識や経験を持っていることです。

宅建によって学んだ知識が業務に活かせるとアピールできれば、転職を有利に進めることができます。

銀行や建設など、不動産取引に関わる業務を扱う業界であれば、宅建で身につけた知識がそのまま活かせるため、評価につながる可能性が高いです。

他の業界に転職する場合でも、宅建の知識が業務に活かせる場合は、積極的にアピールしましょう。

成長意欲の強さをアピールする

宅建は簡単に受かる試験ではないだけに、合格に向けて努力を続けた体験についても転職時の評価につながります。

努力した体験を伝えることで成長意欲の強さをアピールでき、転職後も努力して活躍する姿を相手にイメージさせることができるため、結果的に転職を有利に進めることが可能です。

特に不動産業界とは別の業界に転職する場合、業務によっては宅建の知識をあまり活かせないというケースもあるでしょう。

成長意欲の強さは、どんな仕事においても大切な資質となるので、宅建の知識が活かせなくても努力できる点をアピールできれば、転職時の評価は高くなります。

ダブルライセンスを目指す

宅建と合わせて他の資格を取得してダブルライセンスを実現することも転職で有利になります。

可能であれば宅建と同じレベルもしくは、ステップアップとしてさらに難易度の高い資格の取得が望ましいでしょう。

宅建と合わせて取りたい資格としては、営業関係であればFP、経理や事務関係であれば簿記、人事や労務関係であれば社労士、士業への転職であれば行政書士や司法書士などがおすすめです。

働きながらダブルライセンスを実現するのは大変ですが、宅建の価値をさらに上げるためにも、興味がある人はぜひチャレンジしてみてください。

まとめ

今回は、宅建を活かせる不動産以外の仕事をテーマに、有利な業界や宅建を活かして転職を有利にするポイントについて解説しました。

宅建は不動産以外の業界でも役に立つ汎用性の高い資格です。

認知度が高い資格であるだけに、履歴書に記載するだけで評価される会社もあります。

その分、合格までの難易度は決して低くありませんが、とても素晴らしい資格であるだけに、興味がある人は、ぜひ合格に向けて挑戦してみてほしいです。

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監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。30歳未経験で不動産業界に転職し、営業や企画に携わり、宅建も取得。不動産業界の魅力を伝えるため「不動産のOTOMO」ブログ運営を開始し、累計40万PVに到達。LH不動産転職の理念に共感し、不動産業界の魅力を伝えるコンテンツを配信中。 資格:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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