初心者から宅建合格は目指せる?試験の傾向や知識なしの状態から一発合格するための方法を知りたい。今回はそのような方に向けて、初心者の宅建合格をテーマに試験の難易度や問題の傾向を解説します。
宅建の取得に興味がある人は参考にしてください。
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宅建試験は知識のない初心者でも合格できる
宅建試験は知識が全くない初心者の状態からでも問題なく合格を狙えます。
毎年の合格者数のうち1%〜2%は10代が占めており、史上最年少の合格記録は令和5年度試験で合格した10歳(小学4年生)です。
よって知識がないことはおろか、年齢も関係ありません。
宅建は表面上の合格率が低いことから、不動産や法律の知識がないと難しいと思われがちですが、合格実績を見ても、学習を積めば初学者でも十分に合格できることが分かります。
宅建試験の合格点
宅建試験は50点満点の試験ですが、合格ラインは全体の約7割にあたる35点前後です。
以下の表をご覧ください。
年度 | 合格点 |
2023年度(令和5年度) | 36点 |
2022年度(令和4年度) | 36点 |
2021年度(令和3年度12月) | 34点 |
2021年度(令和3年度10月) | 34点 |
2020年度(令和2年度12月) | 36点 |
2020年度(令和2年度10月) | 38点 |
2019年度(令和元年度) | 35点 |
2018年度(平成30年度) | 37点 |
2017年度(平成29年度) | 35点 |
2016年度(平成28年度) | 35点 |
2015年度(平成27年度) | 31点 |
2014年度(平成26年度) | 32点 |
直近の令和5年度試験から10年を遡ってみると、30点台前半で合格している年はほとんどないことが分かります。
特に平成27年4月に宅地建物取引主任者から宅建士に名称変更されてからは、人気度が上がり合格ラインは、飛躍的に高くなりました。
現状の試験で合格するためには35点以上は必須で、余裕を持って合格を目指すのであれば40点以上を目標に学習を進める必要があります。
初心者が合格するための勉強期間
知識のない初学者が宅建合格に必要な平均勉強時間は300時間前後と言われています。
初学者であっても試験対策に慣れている、いないの個人差はありますが、まず平均値である300時間から逆算して学習計画を組むのがおすすめです。
300時間と言うと、1日3時間として約3ヶ月の学習期間を確保できるので、正しい対策をすれば十分に合格に必要な力を身につけられるでしょう。
とは言え、合格までの学習時間は人によって異なるため、勉強に自信がない人や何としても一発合格を目指したい場合は、さらに余裕を持ってスタートすることをおすすめします。
宅建の試験内容と傾向を解説
50点満点の宅建試験において、出題される科目は宅建業法、権利関係、法令上の制限、税制・その他、免除科目の5つであり、それぞれの出題数も毎年以下のように決まっています。
科目 | 問題数 |
宅建業法 | 20問 |
権利関係 | 14問 |
法令上の制限 | 8問 |
税・その他 | 3問 |
免除科目 | 5問 |
合計 | 50問 |
ここでは各科目ごとに学習する内容や出題傾向、学習のポイントを解説します。
宅建業法
宅建業法(宅地建物取引業法)は、消費者の保護を目的として不動産取引に対する規制を定めた法律です。
試験対策においては、不動産取引や宅建業の開業、契約時におけるルールを学ぶことができ、不動産業の実務に役立つ知識が身につきます。
宅建試験で出題される50問のうち20問を占める科目であるため、宅建業法の得点なくして宅建合格はありえません。
出題数のわりに範囲は広くないため、毎年同じような形式の問題が繰り返し出る傾向にあり、しっかりと対策をすれば満点に近い点数を取ることもできます。
学習の際は、とにかく過去問を繰り返し解くのがポイントであり、反復学習をする中で分からない点をつぶしていくような勉強方法がおすすめです。
権利関係
権利関係は民法の内容を中心に、私生活に役立つ身近な法律を学べる科目です。
出題数が14問と宅建業法の次に多いですが、範囲が広く、内容が複雑な問題も多いため、安定して高得点を取るのが難しい科目でもあります。
よって短期合格を狙う人や権利関係が苦手な人は、いかに効率よく、合格に必要な点数を取れるかがポイントです。
実際の試験では、過去問と類似した問題も出題されますが、「奇問(きもん)」と呼ばれる、正解が難しい問題もいくつか出るため、深入りしないよう注意が必要です。
学習の際は、過去問を中心に対策しますが、テキストも並行して使いながら基礎知識を固めて、試験当日も基本的な問題から確実に得点することを意識しましょう。
法令上の制限
法令上の制限は、都市計画法や建築基準法など、街づくりにおける土地の活用方法や建物の建築に対する規制について学べる科目です。
専門用語が多い暗記科目であり、初学者の人はイメージがわかずに苦戦する場合もありますが、少しずつ丁寧に理解していけば、問題の傾向は決まっているため高得点を狙うこともできます。
不動産業界で働く人にとっては、普段から使うワードが多いため、学習に取り組みやすく新たな知識量アップにもつながる科目です。
暗記事項が多い科目ですが、毎年同じ傾向の問題が多く出題されるため、学習の際は過去問を解きながら必要な知識を頭に入れていくようにしましょう。
税制・その他
税・その他は、不動産の取引や所有に関わる税金のルール、また一般的な不動産評価の種類や査定方法を学ぶための科目です。
不動産の購入時や所有後にかかる税金など、私生活にも役立つ知識を身につけることができます。
出題数は税制が2問、その他が1問の計3問と、点数的には少ないですが、範囲が狭く問題の傾向も決まっているため、しっかり対策して確実に得点したい科目です。
また税制においては、出題分野(国税・地方税)の中から同じテーマが、一定のサイクルで毎年交互に出題される傾向があります。
国税であれば「所得税・印紙税・登録免許税・贈与税」、地方税は「不動産取得税・固定資産税」が交互に出題されているため、時間がない場合は過去問から狙いを絞ることも可能です。
すべてのテーマを学習しても範囲は狭いため、過去問を中心に出題傾向をつかみ、テキストで必要な知識を身につけていきましょう。
免除問題
免除科目とは登録講習を受けていない、または受けられない人に学習が義務付けられる住宅金融支援機構の業務内容や景品表示法、土地・建物、不動産業界の統計を学ぶ科目です。
毎年ほとんど同じ内容の問題が出題されるため、ほぼ過去問を解くだけで対策できますが、統計だけは最新のデータが出題されるため、自分で調査をする必要があります。
統計データの調査に時間がない場合は、資格予備校が実施する免除科目の直前対策を受講すれば、試験対策としては十分です。
なお不動産会社に勤務していて、登録講習の受講対象である人は、講習を受けて確認テストに合格するだけで5問すべてが免除される通称「5問免除」を受けることができます。
他の科目に時間を使い合格率を上げるためにも、不動産業界で働く人は5問免除を利用するのがおすすめです。
初心者が宅建に合格するためのポイント
最後に、初心者が宅建の合格を目指す上で意識するべきポイントを解説します。
宅建は専門的な知識が多く、学習に慣れるのも時間がかかりますが、正しい試験対策をすれば初心者でも合格することは可能です。
はじめての宅建試験で一発合格したい人は、以下の内容を参考にしてみてください。
反復学習を意識する
宅建試験の学習において最も意識するべきポイントは、一回で理解しようとせず、反復学習を心がけることです。
特に法律用語に慣れていない初心者の場合は、テキストの内容や過去問を読むだけで苦痛に感じます。
完璧主義者の人ほど、理解できないと先に進めず学習が停滞気味になり、結果挫折してしまうケースは多いです。
はじめての法律学習で理解できないのは普通であるため、分からない点は読み飛ばして、繰り返し学習する中で少しずつ理解を深めていきましょう。
テキストではなく過去問を中心に学習する
これは初心者に限ったことではありませんが、テキストではなく過去問を中心に学習することも大切なポイントです。
法律系の学習は暗記がすべてだと思われがちですが、暗記に頼った勉強方法だと問題を解く力がなかなか身につきません。
初心者の場合は、まったく分からない状態でテキストを読んでも頭に入りにくいため、挫折の原因にもつながります。
なお、過去問を解かずにテキストをひたすら読むのは、戦う相手が見えていないのにとりあえず武器だけ集めているようなものです。
戦う相手を知るためにも、まずは過去問から学習していき、武器となる知識面は問題を解きながら頭に定着させていきましょう。
知識が少ない状態で過去問を解くことに抵抗がある人もいますが、問題を解くことで試験に必要な知識が自然と把握でき、効率よく学習を進めることができます。
スマホアプリやネット上の過去問を利用する
宅建学習用のスマホアプリやネット上の過去問を利用することで、通勤や通学などの隙間時間を利用して学習を進めることができます。
宅建を受験する人の多くは、社会人や学生であり、宅建の学習だけに時間を割けない人がほとんどでしょう。
プライベートの時間を大切にするためにも、スマホアプリやネット上の過去問を利用することで、隙間時間も学習に充てることができます。
人によっては、ほぼ通勤・通学時間のスマホ学習だけで合格レベルまで到達するケースもあるため、時間効率を上げるためにぜひ活用してみてください。
科目別の配点を決める
各科目ごとに目指す点数を決めておくと勉強時間の配分がしやすいので短期合格を目指す人や科目ごとの得意・不得意が大きい人は、特におすすめです。
宅建試験は科目ごとに出題数が決まっているため、学習途中で予め配点を決めておくと、より効率的に試験対策ができます。
時間的な余裕がある場合や苦手科目がない人であれば、できるだけ高得点を目指すのもよいですが、科目別に配点を決めて合格点ぎりぎりを狙う方法も、宅建合格における1つのコツです。
宅建講座を受ける
宅建は独学での合格も可能ですが、資格予備校や通信の講座を受ける方が効率的です。
特に初心者の場合は、独学だと合格までに時間がかかることや分からない部分の解決が難しいなど、多くのデメリットがあります。
金銭的な理由で講座を受けることに抵抗がある人もいますが、独学で時間をかけて頑張った結果、合格できなかった場合、次の試験が受けられるのは1年後です。
宅建試験は毎年レベルが上がっているため、また1年独学で勉強したとしても合格の保証はありません。
通信講座であれば、比較的安く受講できる場合もあるため、合格確率を少しでも上げたい人は、講座の利用をおすすめします。
まとめ
今回は初心者の宅建合格をテーマに試験問題の内容や傾向、合格するためのポイントを解説しました。
宅建は簡単に合格できない難しい資格ですが、学習を続けることができれば知識のない初心者でも合格できる資格です。
取得することでキャリアアップや転職に有利になる素晴らしい資格であるため、興味がある人は知識のない状態からでも、チャレンジしてみることをおすすめします。
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