不動産関連の資格は数多くあるのですが、その中で何を取得したらいいのか困ることはないでしょうか。本記事では、不動産管理業務を目指す人にとって、実際に役立つ大事な資格を厳選してご紹介します。取得のメリットや効率のいい勉強法も解説しますので、ぜひ最後までご覧になって参考にしてください。
こんな⼈におすすめの記事
・不動産管理に転職したい
・管理業務で必要な資格を取る準備をしたい
・効率の良い勉強法を知りたい
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不動産管理に資格があるといい理由
不動産管理の業界で資格取得をするメリットは、主に以下が挙げられるでしょう。
- 業務の知識が体系的に身につく
- 採用時に歓迎される
- 収入アップできる(資格手当)
- 初めての業界でも気後れしにくい
- 顧客からの信頼を得やすくなる
不動産資格のメリット
業務の専門知識は転職時だけでなく日常業務、さらに私生活にまで役立つことは、実際に取得してみると実感ができます。
採用・収入面では、宅建士などの国家資格で独占業務(有資格者しかできない業務)や設置義務(有資格者を一定数雇用する義務)がある場合、有資格者はたえず募集の対象となります。
給与に1~3万円ほどの資格手当が加算され、資格取得の奨励金などが支給される例も多いです。
不動産資格への評価は?
また、不動産関連の資格は他の業種でも役立つものが多いです。たとえば宅建士の資格が役立つ業界は、不動産以外に金融機関、保険会社、クレジットカード会社、ゼネコン、デベロッパー、ハウスメーカー、工務店、企業内の財務部門、公務員ほか多岐にわたります。
以下、不動産業界内部での、資格に対する生の声をご紹介します。
「資格を持っていれば、男性と平等な立場で働けそう。」
「専門資格はあればあるほどいい 。」
「資格取得で得た知識を活かすことのできるコンサル能力も身につけたい。」
「資格を持つ強みが出れば、若い人にも業界に興味を持ってもらえると思う。」
(公益財団法人不動産流通推進センターの調査より)
不動産管理の仕事とは?
不動産管理の仕事は、賃貸物件のオーナー、分譲マンションの管理組合などをメインの顧客とし、おもに以下の業務を行います。
- 客付け(広告・接客)
- 契約関係業務
- 賃料収納
- トラブル対応
- 建物管理
- 運用サポート
管理業務が専門分化しやすい要素として建物を対象とした「ビルマネジメント」と、賃貸経営のサポートを行う「アセットマネジメント」があります。しかしこの一方をこなすために、両方の要素に精通していることが求められます。
また、近年重要度が増しているのが、分譲マンションの管理業務です。分譲マンションの居住者は基本的に賃貸ではなく購入者で、その代表となる組織が管理組合法人です。
主にビルマネジメントの立場から管理組合をサポートする管理会社のフロント業務は、管理業務主任者の有資格者がつとめます。また、分譲マンション管理は管理会社の公平中立なコンサルタント的な立場として、マンション管理士の資格取得者が行う仕事です。
不動産管理に役立つおすすめ資格6選
以下でご紹介する6つの資格は、管理業務に必要なスキルや業務知識を与えてくれるものです。「まずはどの資格から取得したら良いか」という視点でご覧ください。
宅地建物取引士(宅建士)
合格率 | 必要な平均勉強時間 | 活かし方 |
15~17% | 200~500時間 | オールマイティ |
宅地建物取引士=宅建士は、賃貸・売買、営業・管理、その他問わず、すべての不動産資格の基本ともいえる位置づけの国家資格です。試験の内容は、不動産取引の基礎になる関係法令の知識や、不動産業で守らなければいけないルール、税金の基礎などの知識を問うものです。
募集要項で「宅建士歓迎」と記載され、不動産関連以外の数多くの業種で役に立つ資格であることは、前述の通りです。歴史の長い資格で、長きにわたって15~18%の合格率を維持していますが、2024年試験の受験者数が241,436人と非常に受験者数が多い試験です。
試験範囲が広く、難解な法令解釈、ひっかけ問題も出題されるため、気を抜かずに対策しましょう。
関連記事>>宅建の合格点推移と過去の受験者数は?10年分のデータをもとに解説
賃貸不動産経営管理士
合格率 | 必要な平均勉強時間 | 活かし方 |
27~28% | 100~200時間 | 不動産管理・不動産投資 |
賃貸不動産経営管理士は「宅建士の賃貸業務版・不動産管理業の基本」というような位置づけの資格です。不動産の賃貸管理業に関わる知識を活かし、オーナーが所有する物件の適切な維持管理と有効活用、入居者の対応やサポートなどを行う「賃貸管理のスペシャリスト」を養成するのが目的です。
2021年に国家資格化され、今後以下の業務は、賃貸不動産経営管理士の独占業務となっていくと予想されています。
- 国交省登録の賃貸住宅管理業者の業務管理者
- 物件オーナーとの管理受託契約の際の重要事項説明
国家資格化が決まった2021年の試験では、合格率31.5%、合格点が50点中40点というハイレベルな試験となりました。しかし現在では合格率が25~30%程度、合格点は宅建士と同程度の35~36点程度で落ち着いて推移しています。
宅建士と試験範囲が重なる部分が多く、両方を取得している人も多いです。
関連記事>>賃貸不動産経営管理士試験の合格率と難易度を徹底分析!
管理業務主任者
合格率 | 必要な平均勉強時間 | 活かし方 |
20%前後 | 約300時間 | 分譲マンション管理会社 |
分譲マンション管理のフロント業務に必要な国家資格です。管理を受託する会社側の人材が必要として取得しています。
管理委託契約を締結する際の重要事項説明や管理事務の報告などは、管理業務主任者のみ行える独占業務です。また、マンション管理会社が一定数の管理業務主任者を設置しなければならない設置義務もあります。
試験の難易度は、合格率でやや宅建より易しいというレベルですが、働きながらであれば1日90分程度、半年ほどは勉強する必要のある資格です。分譲マンションのフロント業務は、時に管理組合法人の方に説明を尽くしたり説得するヒューマンスキルも求められる内容なので、その点も意識しながら目指しましょう。
関連記事>>管理業務主任者の合格点推移は?難易度を解説
マンション管理士
合格率 | 必要な平均勉強時間 | 活かし方 |
8〜11%前後 | 500時間前後 | 分譲マンション管理組合・コンサルタント |
管理組合側でのコンサルタント業務を行うための国家資格が、マンション管理士です。
管理組合内外のトラブルをおさめる交渉のほか、管理規約の素案作成、大規模修繕の計画・実施といった部分で管理組合のサポートを行っていきます。
デスクワークや交渉関連の業務のため、中高年の方がセカンドキャリアを意識して受験する傾向があり、受験者が50歳手前と、平均年齢の高い資格として知られています。合格率10%前後と宅建士よりも難易度が高い反面、独占業務・設置義務がない特徴があります。
しかし今後、修繕や予算の運用など、管理が適正に行われていない老朽分譲マンションが増加することになるため、価値が浮上することも大いに考えられます。
関連記事>>マンション管理士の合格点推移・合格ラインは?難易度を解説!
ビル経営管理士
合格率 | 必要な平均勉強時間 | 活かし方 |
約70% | 50~200時間 | ビル管理・テナント営業・不動産投資 |
ビル経営管理士資格は、ビルや商業施設などの運営・管理に関する専門知識やスキルを持つ人材を認定する資格です。ビルオーナーをサポートし、「建物の運用効率の最適化」と「資産価値の向上」を実現するのが仕事です。
居住用ではなく、事業用のビルが対象で、建物や設備の管理・保守のほか、テナント募集・賃貸営業なども扱い範囲に含む資格です。したがってその種の管理会社か、自社ビルの運営を行っている総務や財務などの社内部門、物件投資のサポートで活きる資格といえるでしょう。
賃貸住宅メンテナンス主任者
合格率 | 必要な平均勉強時間 | 活かし方 |
非公表 | 短い | 不動産管理・建物管理・不動産投資・リフォームなどの企業 |
賃貸住宅メンテナンス主任者は、2023年にスタートした新しい民間資格です。賃貸住宅管理業者等が身に着けておいた方が良い賃貸住宅(低層アパート)の設備や維持保全における全般的な基礎知識を体系的に学ぶことができます。
位置づけとしては、賃貸不動産経営管理士の業務範囲の中で、建物管理の実務に特化したものといえるでしょう。近年、建物の老朽化が進み、「今後修繕にどのくらいの費用がかかるのか」を不安視する方が増えています。
そのような状況下で、賃貸管理業、投資サポートなど活躍する場面は多いと考えられます。
新しい試験であり、オンライン(IBT方式)で年間を通していつでも受験できます。不合格でも期間内においては再挑戦が可能など、時間や経済的負担の少ない試験なので、勉強のために受験するのにも向いているでしょう。
関連記事>>賃貸住宅メンテナンス主任者とは?難易度や資格取得のメリット、概要を解説
そのほかに役立つ資格
このほか不動産管理では以下の資格も役に立ちます。
- ホームインスペクター(住宅診断士):中古住宅のコンディションを判断するスキルが身に着く
- フィナンシャルプランナー(FP):住宅取得の資金や税金、家計、保険などライフプランの専門家
- 少額短期保険募集人(少短):火災保険など少額短期保険業者の商品を販売・募集する資格
ホームインスペクターの有資格者であれば、賃貸物件の原状回復について専門的な意見が述べられるほか、物件オーナーやマンション管理組合に対して、建物メンテナンスの実地的なコンサルティングも可能です。
少額短期保険募集人などは試験は容易ですが、不動産の賃貸管理業務ではすぐに役立つ独占業務となります。なお、各種資格は試験に合格するだけではなく、登録や手続きなどを経て、資格を行使できるものもあるため、注意しましょう。
不動産管理でもどの方向を得意分野とするか、キャリアパスを意識して、就業後も資格取得を検討しましょう。例えば、分譲マンションを商品とする企業では管理業務主任者、建設から請け負うサブリース賃貸管理会社などでは賃貸不動産経営管理士という選択が考えられます。
効率のいい勉強法
どの資格についても、テキストと過去問を組み合わせて進めるのが基本ですが、アウトプット→インプットの繰り返しが大切です。過去問を並行して繰り返すのがおすすめです。資格予備校に通学する人も、過去問を何回も反復することは必要でしょう。
勉強の進め方は個人のスタイルによりますが、気の乗った時だけまとめて勉強という方法では、予定を消化しきれません。通勤や待ち時間などのすき間時間を有効に活用して、アプリで暗記を進める方法もあるでしょう。
不動産系の資格に「ヤマを張る」という事は難しいですが、関連する法改正の施行があったら、その部分の出題率は上昇するため、しっかり正解できるように模擬試験問題などで慣れておきましょう。
まとめ
不動産管理業務を目指す人にとって、実際に役立つ大事な資格を厳選してご紹介しました。資格取得の利点は、転職に有利になる、資格によっては収入アップになるなどのほかにも、大切な点があります。
それは、現状では未知の不動産業界、あるいは専門外の不動産業務がとても身近な存在になることです。
不動産管理といっても、ビルマネージメント、賃借人管理、物件オーナーサポート、アセットマネージメントなど、幅が広いです。ご自身の就きたい管理業務の職種に合わせて、有効な資格選びが、転職成功への第1歩となります。
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