JPMCは不動産賃貸業オーナーを対象とするサポートネットワークを全国に築き、サブリースをはじめとする総合支援に取り組んでいる企業です。この記事では、JPMCの会社概要や業績、事業内容、強み、人材育成方針といった点について詳しく解説します。
※本記事の内容は、Webサイトや有価証券報告書等の開示資料をもとに作成しています。
※本記事の執筆は2025年4月時点の内容です。
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JPMCの沿革と会社概要
JPMCは2002年に日本管理センター株式会社として設立。翌年から収益分配型長期一括借上システム「スーパーサブリース」を開始以降、サブリースを中心とした不動産賃貸経営のサポート業務で伸長を続け、2014年には東証1部(現プライム)市場に上場という急成長を遂げています。
2024年末時点でのサブリース受託戸数は10万8953、全国で賃貸経営業務の各分野を支えるパートナーは1,400社にのぼり、ローリスクな賃貸経営のビジネスモデルや、高齢者向けの賃貸需要喚起が支持を受けています。高齢者住宅のサブリース受託は2019年の時点で5,000戸を超えました。
物件オーナーの世代交代や入れ替わり、投資者の増加、入居者需要の変化、メンテナンスを要する物件の増加など、賃貸市場が新たな局面を迎える中、JPMCは今後ますます注目を集める存在となるでしょう。
会社概要
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | 株式会社JPMC |
代表者 | JPMCグループ CEO 代表取締役 社長執行役員 武藤英明 |
設立 | 2002年6月7日 |
事業内容 | 賃貸住宅経営代行事業及び賃貸住宅一括借上事業(サブリース)賃貸住宅管理事業及びその周辺事業高齢者向け賃貸住宅事業 |
資本金 | 465,803,500円 |
上場取引所 | 東京証券取引所 プライム市場 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内3-4-2 新日石ビルヂング |
従業員数 | 406名 |
売上・利益3期分
この項では有価証券報告書を基に、2022年12月から2024年12月における3期分の売上や利益について解説します。同社の売上や利益について下に表をまとめました。
※以下は単体の数字です。
項目 | 2022年12月 | 2023年12月 | 2024年12月 |
---|---|---|---|
売上高(単位 千円) | 50,769,907 | 51,202,709 | 52,128,766 |
経常利益(単位 千円) | 1,550,286 | 1,205,909 | 2,615,115 |
当期純利益(単位 千円) | 1,046,436 | 897,775 | 2,564,549 |
出典:有価証券報告書|株式会社JPMC
コロナ禍による賃貸需要の低下や、建材費の高騰などを乗り切る中で、生まれた危機感が「パートナーシップの強化の必要性」でした。
過去右肩上がりで売上伸長する中、2023年には、賃貸関連サービスのさらなる拡充やパートナー・金融機関との連携強化、顧客サービス向上を目的に、データベースをはじめとする基幹システムの一新に関する投資が行われました。
売上・利益3期分
※以下はグループ連結の数字です。
項目 | 2022年12月 | 2023年12月 | 2024年12月 |
---|---|---|---|
売上高(単位 千円) | 56,227,936 | 57,353,407 | 58,987,859 |
経常利益(単位 千円) | 2,401,791 | 2,583,808 | 2,727,036 |
当期純利益(単位 千円) | 1,590,053 | 1,817,134 | 1,831,529 |
出典:有価証券報告書|株式会社JPMC
賃貸住宅業界の中で一定のポジションを確立し、グループ各社の業績も順調に推移していることがうかがわれます。
パートナー企業との協業体制を推進する中、グループ会社7社は金融・保険・PM(プロパティマネジメント)などの業種が中心です。
JPMCの事業内容と強み
この項では、JPMCの主な事業内容とその強みについて解説します。
サブリース・総合支援事業
サブリースとは、物件オーナーから賃貸物件を借り上げ、客付を行って借りている・貸している賃料の差額を収益とするビジネスです。物件オーナーは賃貸業についてノウハウも不要で運用が可能となります。
JPMCは先行メリットのほか、プロップテック(不動産業務のIT化推進)によって、サブリース分野での優位を築いてきました。以下の商品ラインナップでオーナー支援の自動化が行われています。
- スーパーサブリース:新築・既存、所在エリア、築年数、構造問わず借上が可能な主力商品。大手メーカーと変わらない最長35年の借上期間、約定賃料を上回る収益はオーナーと分けあう収益分配型を採用。オーナーは約定賃料以上の収益を得ることも可能。
- JPMC空室借上:現在空室の部屋のみに借上を適応し、入居中のお部屋は退去ごとに借上を適用させていく仕組み。入居中の家賃収入は現状のまま、収入を維持した状態で借上をスタート可能。
- イージーオーダーサブリース:入れ替わりの激しい学生物件などでは原状回復やAD費負担をサブリース会社持ちにするなどオーダーメイド可能なサブリース商品。
賃貸住宅付加価値・周辺事業
不動産投資では、必要に応じて修繕や資本的支出(収益改善のための出費)の提案を行い、オーナーの投資価値を最大化することもミッションとなります。JPMCでは、全国のパートナー企業ネットワークでオーナーの支援が可能なほか、以下の商品も提供されています。
- イーベスト:全国的な家主、不動産会社のネットワークをフル活用して、投資不動産の出口戦略・売買をサポート。
- フローリングそっくりさん:カッター1本で簡単にカットでき、サネもなく貼るだけの簡単施工。時間もコストも削減。
- JPMCセンターデポ:パートナー企業、オーナーに対してコストメリットのある資材を提供。
シニア向け賃貸住宅・経営支援事業
現在、生活に支障や不安の出た高齢の方を受け入れる施設が圧倒的に不足しています。要介護者数701万人に対して施設定員数221万人という実情です。このソリューションとして、住宅型有料老人ホームの新設を投資家に呼びかけ、そのサポートをする事業を行っています。
シニア向けの賃貸物件は好立地の必要がなく、賃料下落リスクが低いという利点があります。かつ高齢者の方は一般の賃貸物件では敬遠されることが多く、潜在ニーズは大きいものです。高齢者の比率が増える今後に向けて、まだ伸びしろが大きいビジネスです。
JPMCでは「ふるさぽ」のブランド名で住宅型有料老人ホームの建築から運営までトータルサポート。「JPMCスーパーサブリース」によってオーナーの安定収入を実現しながら、介護事業者の倒産リスクも回避するのが目的です。
JPMCの年収・社員平均年齢
過去3期の平均給与と社員平均年齢は以下です。
項目 | 2022年12月 | 2023年12月 | 2024年12月 |
---|---|---|---|
平均給与(単位:千円) | 4,705 | 5,022 | 5,231 |
社員平均年齢(歳) | 32.2 | 32.2 | 32.0 |
出典:有価証券報告書|株式会社JPMC
つづいて、過去の募集で提示されていた年収例です。
建築施工管理(リフォーム・住宅内装・インテリア) | 予定年収 600万円~800万円 |
装置・工作機械・産業機械営業(国内) | 予定年収 450万円~800万円 |
アセットマネジメント(アセットマネジャー) | 予定年収 500万円~800万円 |
その他法人営業(既存・ルートセールス中心) | 予定年収 450万円~800万円 |
営業事務・アシスタント | 予定年収 300万円~400万円 |
建築意匠設計 | 予定年収 500万円~600万円 |
プロパティマネジメント(住居・賃貸管理) | 予定年収 500万円~650万円 |
不動産開発企画 | 予定年収 400万円~500万円 |
一般事務・アシスタント | 予定年収 350万円~400万円 |
建設・不動産法人営業 | 予定年収 500万円~800万円 |
プロパティマネジメント(商業施設・その他) | 予定年収 400万円~500万円 |
人事(労務・人事制度) | 予定年収 500万円~660万円 |
経理(財務会計) | 予定年収 500万円~650万円 |
法務 | 予定年収 500万円~700万円 |
販売促進・PR | 予定年収 400万円~500万円 |
財務 | 予定年収 600万円~750万円 |
賃貸管理や賃貸業のサポートは、個人の業績で大きな収益を生むビジネスではない為、給与やインセンティブで高収入を得る仕事ではありません。その代わりに、安定した環境下で積極的にビジネスに励むことができるのは大きな利点といえます。
また、JPMCでは社員の資産形成もサポートしており、1億円以上の含み資産を持つ社員が7名存在します。仕事でノウハウを学び、自ら運用を行った成果です。
JPMCの中期経営計画
これまで、前述のコロナ禍・建材費高騰に加え、賃貸住宅メーカーによる建築不祥事(建物構造)、サブリースの賃料減額や契約解除の件が社会問題になり、アパートオーナー業への不安が逆風となっていました。
しかしJPMCには賃貸人(オーナー)・転借人がウインウインとなる状況を形成してきた経緯があります。さらに今後は、収益構造の多様化を目指し、以下の施策が提示されています。
- 16万戸超の巨大な収納代行プラットフォームを形成 (※ワンビル化が可能)
- 規模の利益による収益性向上
- 付帯サービスをワンビルで提供
- サブスク型のビジネスモデルを形成 更なる収益性向上
- ワンストップサービスを入居者・オーナー・業界へ展開
※ワンビル:請求の一本化
上記を武器として、受託戸数を2025年中に16万戸、2030年中に25万戸とする目標を掲げています。
JPMCの人材育成方針
不動産賃貸業は資産運用なので、見込み顧客のために各種セミナーを催すのと同様に、社員が経験やノウハウを蓄積することで会社が強くなっていくことになります。
人材育成にあたって、以下のようなアナウンスがされているのが印象的です。
当社が求める人材というのは、熱意・誠意、そしてなにより創意のある人です。言われたことだけをする指示待ちではなく、自分で考えて仕事ができる人、そういう人に出来る限りの権限を移譲し、持てる力を十二分に発揮してもらいたい。そしてこの先、万が一うちの会社をスピンアウトすることになったとして、どこであっても通用する人に育てていきたい。そういう思いで人材育成に取り組んでいます。
引用:Webサイト
JPMCでは上記の実現のために、ワークライフバランスの取れた職場環境の提供と、創意ある人材に出来る限りの権限を移譲して力を発揮してもらう体制のほか、社員自身の資産形成のサポートも行うとしています。
研修制度については、社外向けには商品(JPMCアカデミー)として、以下のように段階を踏んで投資家サポートのスキルを身につけていくプログラムが設けられています。(社外向けには有料)
新卒・新入社員向け合同研修 | 「何のために働くのか」という課題から、ビジネスマナー・電話対応・来客対応などのビジネスベーシックやセールストーキングやプレゼンテーション の基本テクニックを学ぶ。 その他、賃貸管理基礎研修、グループ研修、 ロールプレイングで実践も。業務スキルの早期習得を図る。 |
中堅社員向け・マネージャー研修 | リーダーやマネージャーが身に付けるべきスキルや知識を体系的に学ぶ。組織および部下の目標設定やそのプロセスの管理、部下の特長やスキルを見据えたコミュニケーションやモチベーションを維持する方法等を、実例を交えてわかりやすく解説。 また、全国各地域のパートナー企業の方が集うことから、同様の立場の方との交流により、新しい視点や価値観の共有、交流を深める。 |
賃貸管理実務スキルアップ研修 | 特に賃貸管理業務(入居者募集、入居管理、建物管理)に関する講義で、各業務の専門知識を習得しながら、賃貸管理会社の収益構造を学ぶ。 その他、家賃査定、管理計画の立て方、空室対策、クレーム対応術や賃貸業界のトレンド研究なども行う。 |
まとめ
今回はJPMCの会社概要や業績、事業内容、強み、人材育成方針といった点について解説しました。
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